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認定NPO法人 幼い難民を考える会 caring for young refugees / CYR
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(続) 福島に寄り添って

1月8日、年明け間もないこの日、CYRは福島県を訪れました。
幼い子どもたちにとって年末年始は関係ありません。すでにフル稼働している2保育施設の先生方にお会いして、お話をうかがいました。


午前中の訪問地は、二本松市。
ここでは、およそ3,000人の浪江町の方が避難生活を送っています。仮設住宅は、十数カ所が点在しています。


午後は福島市で、11月に訪問した飯舘村の「子育てサロン」(飯野町で活動)の先生にお会いしました。


福島で孤軍奮闘中の保育関係者の現状をお伝えします。


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福島県庁の紹介で、 浪江町の二本松連絡所に連絡しました。 お話を伺うことができたのは、町の幼稚園で園長先生を勤め上げられたキャリア40年の中野 優子さん。浪江町のNPO法人「Jin」が仮設住宅で運営する「浪江町サポートセンター杉内」で、子育て支援事業に携わっています。


そうした経歴から、中野さんのもとに寄せられてくる相談が増えてきています。特に、孤立しがちな借り上げ住宅で暮らすおかあさんたちの悩みに対して、
「何かできることはないだろうか」と、心を砕いています。


仮設と仮設が遠い...
サポートセンター杉内では、3つのサービスが実施されています。高齢者のための施設「一樹(いつき)デイサービスセンター」、幼い子どもたちのための「おたまじゃくしクラブ」、そして、小学生の放課後児童を預かる「かえるクラブ」です。おたまじゃくしクラブの活動は、月曜日から金曜日の9:00~15:00、登録母子は、今週ひと組増える予定です。


クラブの利用者数は、あまり多くありません。二本松市は放射線量が高く子どもを持つ家庭が少ないことと、仮設と仮設の距離が離れているため通いに時間がかかってしまうことが理由なのかもしれません。


おたまじゃくしクラブでは、保育士とのゆったりした遊びだけでなく、デイサービスの利用者さんたちとのふれ合いがあります。お母さんたちのおしゃべりの場や悩み解消の場として、少しでも町民のお役に立ってほしいと願っているそうです。


CYRは、遊具・教材を寄贈しました。また、今後も中野さんと連絡をとり合って、協力できることがあるか考えていきます。

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11月にお会いした「子育てサロン(飯舘村)」の長正サツキさんに再会、じっくりお話をうかがってきました。(子育てサロンについては、ニュースレター104号で紹介しました)


母子の憩いの場、情報交換の場である「サロン」の重要性を強く認識している長正さんは現在、もう一人の先生とボランティアで保育を行なっています。


「ガソリン代が、負担になっているのではありませんか?」
CYRの問いかけは、日常的に車で移動している長正さんにとっては意外だったようですが、
「気づきませんでしたが、そうですね!」 と。

最近も登録母子が増えたサロンでは、臨時で保育者をお願いすることがあります。そうした際は、手当の問題が発生します。 現在、村の援助は、無償で使用できる場所の提供のみです。 CYRは4月以降、子育てサロンへの資金援助を計画しています。子どもたちのため未来のために活用されることを、心待ちにしています。


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避難してきた人たちと、受け入れ市町村の人たち...。

転勤で移り住むことと大きく異なる避難生活は、それに伴う意識の違いが小さな気詰まりの素となりかねません。
放射線のことだけでなく、地域の分断という福島が抱える問題は、保育環境に少なからず影響を与えています。さまざまな状況を思いわずらいながら子どものために最善を尽くす保育担当者を、これからもCYRは応援し続けます。

2013年1月30日


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