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認定NPO法人 幼い難民を考える会 caring for young refugees / CYR
CYRカンボジア
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IMG_4982 2018 DRAWING.jpg コンポンチュナン州トエクポ郡クバルトック地区
プレイチュロウ村ボウテン・テム小学校の校長先生が話してくれました。

初めてCYKの方々と会って話をした時のことを思い出しています。
私は公立の幼稚園を開きたかったので、CYKさんと幼稚園を作るというのは気が進みませんでした。
一般的に地域幼稚園は、予算がないし、保育者も研修を受けていず、長く続かない所が多かったからです。
ところが、CYKさんと一緒に働き始めてすぐに、私の考えが間違っていたことに気が付きました。

「村の幼稚園」の卒園児が小学校にやってきた

この小学校は2007年に開校し、その2年後に私は働き始めました。
幼稚園がなかった時は、授業内容を教えるペースもカリキュラム通りにならずゆっくりでした。
たとえるならば、幼稚園に入らなかった子どもたちは、クメール語で森の人、村の名前のプレイチュロウは深い森という意味ですが、集団の行動になれていないので、野性的なのです。
幼稚園のある他の地域の小学校の1年生担任は、子どもたちをまとめたり教えたりするのが、私たちよりもずいぶんと容易に見えました。
そのため私は幼稚園を作ることが必要だと感じていました。

見違えるような子どもの変化

村の幼稚園」ができてから、子どもたちは見違えるように変わりました。
子どもたちは、勇気があって、勉強や運動、社会活動などさまざまな活動に挑戦できます。
1年生の先生は、とても教えやすくなりました。
 幼稚園を卒業した子どもは、コミュニケーションを取るのが上手になっています。
柔らかい言葉を使ってジェスチャーで伝えることができます。
また、友達や周りの人とも良い関係を築くことができます。
礼儀正しく、学校でも家庭でも年配者を敬います。
そして、トイレや手洗い、掃除等の衛生に関するルールを理解し実践することもできます。
 幼稚園から小学校に入学してくる子どもの割合は毎年違います。
今年は1年生40名のうち幼稚園の卒園児は26名で、65%になります。3年間の平均では74.63%です。 IMG_2752 PC BREAKFAST.jpg

保育者へのサポート

CYKは、保育者が困らないように開園前のまとまった研修や毎月モニタリングと研修があり、保育の能力強化研修も行われています。
それでも慣れない保育者の仕事にチュンリー先生が辞めたいと言ってきたとき、私は保育者を励ましてきました。
小学校の予算で文房具を購入したり、国連WFPの支援で始まった小学校の朝給食を幼稚園の子どもも食べられるようにしました。
うまくいかないと思った保護者からの協力金も3年間貯めて自主運営するときには、幼稚園で必要なものを購入できる仕組みになっており2020年に地域へのハンドオーバーされた後も保護者から続けて協力していただくよう私からも話しました。
2020年に教育省のスタンダードの認定を受け、先生は政府から給与が払われるようになったのはとても嬉しいことです。
IMG_7948 2018 PV MPOTHERS AT INT.DAY.jpg

中学校が遠いので、通えない

小学校で留年した子どもはいません。
この3年間に中学校に進学した子どもの割合は86.47%です。
中学校も義務教育ですが、進学せずに小学校でやめてしまう子どもは6.5人に一人です。
中学へ通うための交通手段がないこと、自転車があっても距離が遠いので通えないというのが一番多い理由でした。
村から一番近い中学校はコンポンスプー州のオンレアン中学校で9km、もう一つの州内のトゥックポッ地区にある中学校は約10kmの距離があります。
子ども自身がそれ以上勉強を続けたがらない、読み書き、計算ができればそれで十分だと考えています。
子どもが中学へ通うと家族の生計が厳しくなるので、家の仕事を手伝って家計を助けるという理由も多いです。
これまで高校に進学した子どもの数は4人、大学に進学した子どもの数も4人です。
幼稚園の卒園児はまだ小学校1~3年生です。
これから村の子どもたちがどのように育っていくか、これからどんな仕事につくようになるか、とても楽しみにしています。

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