クメールルージュ裁判の終結によせて
9月22日、ポルポト政権最高幹部の唯一の生存者キュー・サンパン元国家元首(91歳)の控訴審において、もっとも重い終身刑の判決が下され、長年にわたるクメールルージュ裁判が終結しました。
1975年4月から3年8ヶ月余り続いたポルポト政権時代には、150万人から200万人とも言われる人たちが虐殺、飢えや病気のため命を落としました。
カンボジアで長年一緒に働いたプノンペン事務所の職員の方々や活動地の保育者、地域の人たちの誰もが家族や親戚をこの時代に失くさなかった人はいません。誰もが、言葉では尽くせない大変辛い悲しみを経験してこられました。
移住させられた村から脱出しようとして目の前で親や兄弟全員を殺され、どのように生き残ってきたかという話をしてくれた職員もいました。ポルポト政権時代から既に40年余りの時間が経過しました。ポルポト政権最高幹部の最後の判決のニュースにカンボジアの方々の深い傷や痛みが少しでも癒されますようにと願っています。
また今も世界では武力による紛争や熾烈な勢力争いが、限りある地球資源の争奪とあいまって国の生き残りをかけて繰り広げられています。難民の数は、1億人を超えてしまいました。
私たちは、家族と一緒に食事をし、団欒のひと時を過ごすあたりまえの安定した暮らし、平和な毎日を送っていきたいのです。住むところを追われ食べるものもなく、学ぶ機会も失ってしまっている子どもたちがこれ以上増えることがないように。
カンボジアの子どもたちや世界の子どもたちの未来が大国の思惑に振り回されることなく、自由で民主的な、そして平和な社会になっていくことを心から願っています。
副代表 関口晴美