いつも当会活動へ温かいご支援をいただき、ありがとうございます。
「村の幼稚園」の開設にあたっては、椅子や机、教材といった学習に必要な備品の他に、手洗い用の洗面器を必ず準備します。
3つの洗面器に、先生が汲んできた清潔な水を入れておきます。
蛇口をひねれば水がでる洗面所はないので、砂埃で汚れた手を1つ目の洗面器につけてざっと汚れを落としたら、
次に石鹸をつけて2つ目の洗面器で洗います。
最後は3つ目の洗面器でゆすいで、さっぱりします。
子どもたちが手洗いを喜んでする様子を2015年7月発行の『こどもたちの明日』第114号で紹介しています。
『こどもたちの明日』第114号より
プノンペンから車で1時間ほど離れたカンダール州チュティール村は、砂糖ヤシの木が生い茂るのどかな農村です。村人の多くが農業や縫製工場で働き生計を立てていますが、1日の収入が1ドル以下という家庭も珍しくなく、貧しい生活をしています。
子どもの数が多いチュティール村ですが幼稚園はなく、小学校は村から3㎞ほど離れています。そのため、昼間、6歳以下の子どもたちは隣家に預けられたり、近所で遊んだりして過ごしています。チュティール村の隣村では、目が悪いお年寄りに預けられていた兄弟が池に落ちて亡くなるという悲しい事件がありました。
「子どもたちが安全に過ごせる場所が欲しい、子どもたちに教育を受けさせたい」との村人の願いを受け、村の幼稚園が誕生しました。
村の幼稚園の一日は朝7時に始まります。
登園した子どもたちは、カンボジア国歌「コールップトンチアット」を歌い、体操をしてから教室に入ります。
教室では礼儀作法や文字・数を学びます。
おやつの時間になると、子どもたちは進んで手を洗い、列を作っておやつを受け取ります。
幼稚園で手洗いの大切さを覚えた子どもは、家でも家族に「ちゃんと手を洗ってください」と伝えているそうです。
村の幼稚園ができてから、子どもたちの衛生状態や態度が変わったと地域評議会のトゥーイ・アートさんは言います。
「子どもたちは大人に会うと、礼儀正しく挨拶ができるようになりました。また、汚れた服を着ている子どもも少なくなりました。子どもたちが幼稚園で元気に遊び、真剣に学ぶ姿に、保護者だけでなく村人全員が喜んでいます。」
『こどもたちの明日』第114号の全文は、
こちらからご覧いただけます。
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