「生徒が上手になると嬉しい」 技術トレーナー、ミットさん
スーン・ミットさん(35歳) 織物研修センター技術指導者
CYRは、貧困に苦しむ農村地域の女性たちの生活向上と伝統文化の継承を目指し、カンボジアのタケオ州で織物の技術指導に取り組んでいます。研修センターで技術トレーナーとして指導しているのはスーン・ミットさん。人に教えながら、自分でも新しいデザインに挑戦しています。
「技術は妻から学びました」
ミットさんは、中学を中退した後、お寺の壁画の描き方を学びました。その後22歳で結婚したのを機に、「妻が織物をしているため、技術を全て妻から習いました。収入を得たかったし、織物は家で仕事ができるのが魅力的だったから」とのこと。
教えるやりがい
人に教えるのが大好きなミットさん。「生徒たちが上手になると嬉しいです。一番大変なのは、入学して間もない時期。シルクの糸が細くて柔らかいので、切れたり絡まったりすることがあって大変なことが多いです。」と教える苦労を語ります。
大作にチャレンジ中!
ミットさんは、得意な絵を活かして自ら新しいデザインの製作にも挑戦しています。現在、取り組んでいるのは、「乳海攪拌」(にゅうかいかくはん-ヒンドゥー教における天地創造神話-)。「模様が複雑なため、1年がかりになるかもしれません。他にはない新しいデザインを作りたいと思っています。仕上がった作品が売れたら嬉しいですね。」と今後の想いを話してくれました。
今ではカンボジアの伝統文化を受け継ぐ貴重な存在となっています。