いつも幼い難民を考える会(CYR/CYK)の活動にご支援をいただき、ありがとうございます。
4月から始まったピダン研修ですが、6月末に終了いたしました。
このピダン研修は4人の受講生が参加しており、1人1種類ずつ、全員で4種類のピダンを完成させました。研修で織られたピダンは裏布を縫い付けた後、プノンペンにある"Pidan Khmer"(当会カンボジア事務所併設ショップ)にて販売される予定です。
織り手紹介
さて今回は、ピダン研修の受講生のひとり、チャーイ・スレイナエトさんをご紹介します。
スレイナエトさんは現在20歳。まだ若い彼女ですが、織りの正確さとスピードは誰にも負けません。
また色の組み合わせのセンスもよく、当会の織り手の中でも期待の星です。
そんな彼女にいくつか質問をしてみました。
-ピダンを織りたいと思ったきっかけは何ですか
幼いころから母や祖母が織物をしているところを見ていて、自然と興味を持つようになりました。16歳のころ、 手に職をつけたいと思いCYKのピダン研修に参加しました。
-ピダンを織っていて楽しいこと、大変なことなどあれば教えてください。
ピダンを織っていて楽しいと感じるのは、自分のピダンが完成して、そのピダンを見た人に「綺麗だね」と言っ てもらったときです。やる気が出ますし、また次の作品を作りたいという気持ちになります。
反対に大変なことは、ピダンを織っている最中は気持ちを集中させなければいけないことです。ピダンはとても 繊細なので、他のことを考えていたり、気分が落ち込んでいたりすると、それが織り目に出てしまいます。
-ピダンの製作を始めてから生活は変わりましたか?
ピダンは高値で売れるので、農業をするよりも多くの収入が得られます。ピダンを売って得たお金で牛や豚、
オートバイを買うことができて、生活が前より豊かになったと感じています。
-今後の計画や目標などはありますか?
私が住んでいる村でも織り手がどんどん減っていて、ピダンというカンボジアの伝統文化が消えつつあると感じ ています。わたしはピダンを織るのが大好きですし、この先もずっと続いてほしいので、将来はピダン織りの先 生になって伝統文化の保全に力を入れていきたいです。
チャーイ・スレイナエトさんの作品
「生命の樹」
生命の樹はカンボジアの織物にも多く描かれている模様で、
生命と不死、そして世界の軸を表しているといわれています。
生命の樹
鳥や花
ナーガ
2016年7月 7日