カンボジアにおける藍染め技術の確立と伝播プロジェクト
このプロジェクトは、2012年度から2014年度の3年間に渡り、
カンボジアのコンポンチャム州アンコールバーン村で実施されました。
アンコールバーン村では、かつて泥藍づくりをしていましたが、
内戦後はその技術が途絶えかけていました。
この素晴らしい技術を復活させるため、当会は藍染め技術の復興を試みてきました。
このプロジェクトの目的は、藍染め技術が確立され、
藍染めがカンボジア人女性の有力、かつ安定的な収入手段なることです。
藍の葉から上質の藍染料を作り出し、
ムラのない美しい藍色を木綿・絹糸に定着させるのは容易ではありません。
藍の葉の刈り取りから染めまで、全て村人の手で行う作業の流れをご紹介致します。
①研修参加者が育てた藍の葉を刈り取り、運ぶ
②藍の葉を細かく刻み、泥藍を作り準備をする
これらの作業は猛暑の中、すべて手作業で行われる
③刻んだ藍の葉を水に浸した後、葉をひっくり返しよく発酵させる
④十分に発酵した藍の葉を取り出し、溶液の色を確認し、フィルターで濾す
⑤発酵した藍の葉を取り出した後の溶液に、消石灰を加えて泥藍を作り始める。
そして、消石灰を混ぜた後ノ江期待も再度、フィルターで漉し、
その後、上澄み液を何度も取り出し、泥藍の素となる液体を作る。
そして、土の中に水分を染みこませるよう、漉しながら流しこむ。
⑥泥藍から藍の染液を作る。藍の華がたくさん見られる。
藍の華は、発酵した藍の泡で熟成した藍色を生み出す。
⑦絹糸は一度に染められる量が少なく、1回の染めは2分という短時間で行われる。
そのため、ムラなく染められるよう、時間を見ながら慎重に染める必要がある。
通常は染め(2分)を2回行い、洗って乾燥させるという作業を5セット繰り返す。
このような作業を経て、染め上げられた絹糸でスカーフ(左)や帯(右)が製作されます。
2015年度も、泥藍作りと染めの研修が行われました。