「遊びながら学ぶ」~村の幼稚園の子どもたち~
当会活動への温かいご支援をいただき、誠にありがとうございます。
当会が2011年より注力している「"村の幼稚園"開設事業」。
2017年は6か所の村の幼稚園を運営、また、3~5ヵ所の村で新規開設をする予定です。
村の幼稚園では遊びを多く取り入れ、子どもたちが遊びながら学べるカリキュラムを組んでいます。
今回は、幼稚園に通う子どもたちがゲームや遊びを通してどんなことを学んでいるのか、
当会カンボジア事務所(CYK)職員に聞きました。
~村の幼稚園でのゲーム~ (CYK保育アシスタント: ビアスナ・ソピエクニァト)
幼児期の子どもにとって、
「遊ぶことは学ぶこと、そして学ぶことは遊ぶこと」
と言えるほど、子どもたちは五感を働かせ、
遊びを通して大変多くのことを学びます。
当会の村の幼稚園で最も人気の遊具である「布ボール」。
日本のボランティアの皆さんによって届けられる
「布チョッキン」のボールです。
自由時間になると、遊具を保管している棚に駆け寄り、友だちと仲良く布ボールで遊ぶ姿がよく見られます。
また、教室でのアクティビティでも、保育者は頻繁に布ボールを活用しています。
そのゲームの一つが、毎朝の国歌斉唱後に体を動かすために行う
「ボール渡し」です。
このゲームではまず、8人ほどのチームになった子どもたちが2列に並び、
先頭の子が花や動物などのマークを付けます。
「ムイ、ピー、バイ(いち、に、さん)」の掛け声で、
先頭の子は後ろの友だちにボールをパスして、列の最後尾に走り、ボールが届くのを待ちます。
ボールを渡すのは、頭の上から、両足の間から、左右どちらかから...と様々なルールで楽しむことができます。
この繰り返しで、最もはやくマークをつけた先頭の子が再び前に戻ってきたチームが勝ちです。
私たち職員や保育者が注意しなければいけないのは、
子どもたちがボールを渡して、列の最後尾まで走る時、お互いにぶつからないようにすることです。
どちらのチームも同じ方向に走るか、もしくはAチームは右方向、Bチームは左方向というように
走る方向を事前に決めて、子どもたちにしっかりと伝えます。
(この日は犬チーム、魚チームにわかれての競争です)
このゲームの目的は、
・集中して目でボールを追う、
・手と足を動かしてボールをキャッチすることで、身体の発育を促すこと
・ボールをはやく届けるための、連携とコミュニケーションを取ること、です。
子どもたちはこのゲームを楽しむだけでなく、とても積極的にゲームに参加し、
どのようにしたらはやくゴールできるかを考え、互いに声を掛けながら、ボールを渡していきます。
また、グループ遊びを通してルールを守って楽しく遊ぶことなど、社会性も身に着きます。
村の幼稚園では、文字や数字の学習の時間だけでなく、
子どもたちが楽しめる時間を多く設けることで、
幼稚園がより子どもたちにとって魅力的な場所となるように、カリキュラムを組んでいます。
また、私たち保育事業チームも、子どもたちにもっと多くのゲームや遊びを提供できるように、
がんがえていきたいと思っています。
村の幼稚園がより良い場所となり、一人でも多くの子どもたちが幼稚園での学びの機会を得られるよう、ぜひご支援、ご協力をお願いいたします。