歯科医と歯科衛生士の指導を受ける
パネルシアター
歯みがきの指導
歯の検診
CYRは「各保育所の子どもの虫歯数が2004年度の歯科検診の虫歯の平均値を上回らないこと」を目標に、今年度1年間かけて虫歯予防プロジェクトを行っています。その一環として2006年7月、保育所の子どもと保育者を対象に、虫歯予防ワークショップを行いました。
■保育者・委員へのプログラム
7月7日、保育所の運営委員会と保育者を対象にしたワークショップを行いました。委員会からは4名、バンキアン・プレイタトウ両保育所からは先生7名が参加し、歯科医の沼口先生と歯科衛生士の笹尾さんのご指導を受けました。
朝8時半から3時までのスケジュールで、クメール語のテキストに沿ってパネルを見せながら歯の大切さや働きを教えるプログラム、虫歯や食事についての説明の他、実際に歯の汚れや歯みがき方法を確かめる実習なども行いました。また、子どものためのパネルシアターも試しました。
実習も取り入れた説明を行うことで、保育に携わる大人たちに、虫歯予防や歯みがきの大切さを実感してもらうことができましたが、聞き手の注意をそらさないテキストの使い方など、課題も残りました。
■子どもたちへのプログラム
7月8日から11日までは、子どもたちを対象としたプログラムです。このときも沼口先生・笹尾さんにご協力いただき、前半2日はバンキアン保育所、後半2日はプレイタトウ保育所で同じプログラムを実施しました。
初日は検診と予防を目的に、子どもの歯の検診、パネルや模型を使った歯や歯みがきの説明を行いました。また、実際に子どもの歯を赤く染めて、そこを磨く練習もしました。
2日目は歯みがき指導と予防処置を目的に、各自の歯ブラシでもう一度歯みがきを練習しました。また、子どもの歯のクリーニングやフッ素塗布などの処置も行いました。歯染めを怖がって泣き出してしまう子もいましたが、保育所の先生たちも協力的で、ほとんどの内容をスムーズに行うことができました。
ただ、前半のバンキアン保育所で、慣れていなかったせいもあって手順が良くなかったのに対し、プレイタトウ保育所ではスタッフが協力して作業を進められたという点で、2つの保育所に差が出た部分もありました。またテキストの説明をもう少し行ったほうがいいなど、次回につながる課題も出ています。
■まとめの保育者委員会合同研修
7月28日、保育所の先生・委員会メンバー・CYK担当者が集まって合同研修を行い、ワークショップのまとめと今後の取り組みを話し合いました。
ワークショップの記憶が新しいせいもあって参加者からは活発な意見が出され、内容からも、ワークショップで伝えたかった点はちゃんと伝わっていると実感できました。
今後は、保育者や委員会メンバーが自分たちで、子どもやその保護者に虫歯予防を伝えていくことに重点が置かれます。カンボジアの習慣などの問題もありますが、今回のワークショップの内容を生かし、息の長い取り組みを続けていくことが重要です。
2006年8月 1日