伝統草木染めワークショップ
CYRでは、農村の女性の生活向上を目的として、織物センターで年間15名の研修生にカンボジアの伝統織物技術の研修を行っています。また、内戦で失われかけている伝統的な草木染めを地域の人に伝えていくため、織物従事者を対象に研修を行っています。
2005年6月30日、絣に使う糸の草木染め(ラック(赤の染料)、プロフー(樹皮・黄の染料))のワークショップを行い、タケオ州サムロン郡スラー地区10村から32名の参加がありました。はじめにCYRの織物トレーナー、スーン・ミットさんがテキストを使って講習を行い、その後3グループに分かれて染めの実習を行いました。
参加者の中には、珍しく男性が2名、また13~14歳の女の子もいました。32名の参加者全員が実際に織物をしていましたが、草木染めは初めて習うとのことでした。参加者は熱心に質問したり、なれた手つきで染めを行っていました。
カイガラムシの体液が樹脂となって固まったラック(赤)は、貴重な染料のひとつで値段が高いため、ラックで染めた製品は、化学染料や他の染料と違って、プノンペンの市場で高く売れます。
通常、これらの染めは、染めのできる仲買人に1クベン(約4m)$10を払って依頼するそうで、彼らは「このワークショップはとても重要で、仲買人にこれらの染めを依頼しなくてすむよう、将来は自分たちで染めたい」と話していました。
村人を対象とした伝統織物技術のワークショップは、年3回、テーマを変えて行っていきます。『カンボジア織物事業~織物ができるまで~』20ページ(カラー)を1000円で販売しています。カンボジアの織物にご関心のある方は、事務局までご連絡ください。
2005年7月 2日